例えば安田祐香は、悲願が待たれるプレーヤーの一人だろう。2019年のプロテストに合格した安田だが、アマチュア時代からその実績は十分で、2017年の日本女子アマチュアゴルフ選手権を高校生で制すと、2018年大東建託・いい部屋ネットレディスでは、3位タイに食い込みローアマを獲得。2019年にはオーガスタ・ナショナル女子アマで3位タイとなり、当時から知名度も高かった。

 しかし、プロ入り後は、2020-21シーズンでシード入りを逃すと2022年もメルセデス・ランキングと賞金ランクともに53位と上位進出を逃している状況だ。

 今季に入ってフジサンケイレディスで2位タイ、スタンレーレディスホンダで単独2位に入るなど優勝まであと一歩に迫っているが、櫻井や神谷など後輩が勝利を手にする中で未勝利。本来の実力もさることながら、知名度と話題性も高いだけに、ゴルフ界としても安田の初優勝を待ち望んでいるはずだ。

 金澤志奈も初勝利が待たれる女子プロゴルファーだ。2017年のプロテストに合格した金澤は、いきなりその2カ月後のステップアップツアー、山陽新聞レディースカップに優勝。翌年からはレギュラーツアーでプレーを続けている。

 2020-21年シーズンは、約7,000万円を稼ぎ出し賞金ランク24位につけ初シードを獲得したが、翌年同55位になると、今季もここまで同42位でメルセデス・ランキングも45位とやや成績が低迷。来年29歳を迎え、“○○世代”と言われる後輩たちが続々優勝して行く中で焦りもあるだろうが、フェアウェイキープなどショットには定評があるだけに、コンスタントに上位進出できるようになれば、悲願成就の可能性は十分だろう。

 もう一人、ツアー初Vを期待したいのが2018年にプロテストに合格したプロ6年目の脇元華だ。

 今季の脇本は、KKT杯バンテリンレディスの5位タイなどトップ10に2回入り現在のメルセデス・ランキングは54位となっている。

次のページ
いよいよ今シーズンも大詰め