しかも、IPLは施術後に肌の赤みが続く、いわゆるダウンタイムがほとんどありません。施術の翌日には化粧をできる場合が多く、わざわざお休みの日を選んで光治療をしてもらう必要もありません。

 このようにアンチエイジングに有効で人気の高いIPLですが、治療には注意が必要です。過度な治療や不適切な施術は、肌にダメージを与える可能性があります。一般的には、IPLは1カ月に1回程度の施術を3〜5回することが多く、近畿大学病院皮膚科では1回1万6500円(税込み)で行っています。また、全ての人がIPL治療に適しているわけではありません。肌のタイプや色、治療を受ける部位によっては、IPL治療が適さない場合もあります。そのため、治療を受ける前には光治療専門の医師と相談し、適切な診断とアドバイスを受けることが重要です。

大塚篤司医師がIPLを受けている様子(大塚医師提供)

 結論として、フォトフェイシャル(IPL)治療は、肌のたるみやしわ、しみ、そして、赤みまで改善が期待できる有効なアンチエイジングの一つです。適切に行われることで肌の若返りと美容に大きな効果をもたらすことができます。しかし、治療を受ける際には注意が必要であり、医師と相談し、自分の肌に合った治療を選択することが重要です。若々しい肌を保ちたいと考えている人にとって、IPL治療は非常に有効なオプションの一つと言えるでしょう。

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大塚篤司

大塚篤司

大塚篤司(おおつか・あつし)/1976年生まれ。千葉県出身。医師・医学博士。2003年信州大学医学部卒業。2012年チューリッヒ大学病院客員研究員、2017年京都大学医学部特定准教授を経て2021年より近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授。皮膚科専門医。アレルギー専門医。がん治療認定医。がん・アレルギーのわかりやすい解説をモットーとし、コラムニストとして医師・患者間の橋渡し活動を行っている。Twitterは@otsukaman

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