「ながら歩き」がいい
新井医師は認知症予防のための「健脳カフェ」を開いており、そこでも「ながら作業」を推奨している。
「ウォーキングをしながら、そこに別の動作を加える。俳句、英会話、クイズなどなんでもいい。好きなことや楽しめることをプラスする。嫌々やっても全く意味がありません」
誰かと楽しく会話をしながら歩くことが、認知症対策のウォーキングになる。
また、ウォーキングは高血圧対策にも有効だ。血圧が高い場合、「階段の下り歩き」を。こう言うのが、日本歯科大学内科客員教授の渡辺尚彦医師(高血圧専門医/聖光ケ丘病院顧問)だ。
「ある研究結果では、毎分70歩のスピードで階段を上がると3分間で平均80・Hgの血圧上昇が見られ、最高血圧が210・Hgに達した人もいました。血圧が高い人は決して階段を急いで上ろうとせず、下りだけ歩く。下り階段をよく使うことで、普段使わない筋肉を鍛えられるのもお勧めポイントです」
「歩くこと」には健康のカギが多くあるとわかる。運動の秋、まずは身近な「歩く」から、始めてみませんか?(ライター・羽根田真智)
※AERA 2023年11月13日号より抜粋