日本各地に数ある外資系ホテル。これまで主流だった欧米のホテル以外にも、東南アジアのリゾートや老舗ホテルの新ブランドなど、個性豊かな施設が続々と登場している。発売されたばかりのムック「今、行きたい 日本の憧れホテルBEST100[2024年版]」では、ホテル評論家の瀧澤信秋さんとおひとりプロデューサーのまろさんが、外資系ホテルの魅力や楽しみ方を語り合っている。秋の行楽シーズン真っただ中のいま、そのディープな対談を配信したい。
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編集部 国内でホテルの開業ラッシュが続く昨今、外資系ホテルも初めて聞くブランド名が急増している気がします。
瀧澤信秋 新規開業するホテルはそのエリアのブランド価値を高めるというメリットがありますから、誘致する日本の企業にとっても話題性は重要。最近は欧米以外にも東南アジア系、特にタイのブランドの日本進出が目立ちます。「目新しさ」という点から言って、今後も新ブランドの「日本初上陸」はますます増えていくでしょうね。
まろ 確かに外資系ホテルは地域を盛り上げる役割も担っていますよね。その土地を反映したデザインやサービスに触れることによって、地域の魅力も感じられます。先日、タイから上陸したデュシタニ京都に滞在したんですが、タイと京都の文化をすごく上手に融合させているんですよ。ヴィヴィッドな色を取り入れたデザインは、日本人が表現する「京都」とはひと味違って新鮮でした。ウェルネス施設の充実ぶりも印象的です。スパトリートメントはタイ古来の療法など20種類くらいあり、さすがマッサージ大国!でした。
瀧澤 私にとってラグジュアリーホテルは五感で楽しむもの。たとえばインテリアなど見た目の「視覚」、リネンの肌触りなどの「触覚」。なかでも一番難しいのが「嗅覚」です。香りは特に個人の好みが分かれますから、表現が難しい。だけどタイをはじめとする東南アジアのホテルは、香りを上手に使って特別感を演出しているな、と感じますね。たとえばシャングリ・ラ東京は、1階のエレベーターホールからもういい香り。嗅覚で非日常に誘ってくれます。こうした際立たせ方は欧米のホテルにはあまりないおもてなしだなと感動しました。