門前仲町の小さなスナック街「辰巳新道」には昼間から外国人たちが見学に訪れる(撮影/上田耕司)

ベジタリアンや宗教上の制約が多い

「近くにホテルがあるから、宿泊している外国人が多くやって来るけど、基本的には旅行で来た外国人はお断りしています。ウチはお通しが1500円で2品くらい出して、それが席料になるんだけど、そういうことを説明しようにも、理解してくれないので、対応できないのよ」

 昭和の時代からやっている別のスナックの80代のママも、

「こんな小さな店なので、飛び込みの外国人さんはお断りしています」

 その理由は──。

「外国人が食べるものってわからないのよ。うちは私のお任せで料理を出していて、このお客さんはこういう料理が好きそうだなって判断しながら提供しています。だけど、外国人はベジタリアンだ、宗教上の理由でこの肉は食べられない、魚、豆腐を出せとか、いろいろと注文が多い。神経を使うし、そういうのは苦手なの。日本人の常連さんが連れて来てくれるのならいいんですけどね」

 一部のスナックにとっては、訪日外国人の来店は、あまり喜ばしいことではない様子だった。

 これは門前仲町に限った話ではない。台東区・浅草は浅草寺の雷門など日本ならでは観光名所が多くあり、訪日外国人に大人気の街だ。浅草周辺のホテルに泊まった外国人たちも、夜はスナックを訪れる人が多いようだが、対応に苦慮しているお店も少なくない。

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外国人お断りの店は多い