二つのネット媒体に出て「テレビはもうすぐ終わる」という思いを強くした。民放はCMを観る代わりに無償で質の高いコンテンツを享受できるというよくできたビジネスモデルだった。でも、「質の高い」という条件がいつの間にか失われてしまった。「あんなものより、金を払ってもいいから質の高いものを観たい」という人たちが身銭を切ってサポーターになり、ネット媒体を財政的に支えている。
小さいが個性的な媒体が今次々と生まれている。いずれいくつかのトピックについてはテレビよりネット媒体の方が情報の信頼性が高いと言われる時代になるだろう。
この現状を見ていると、絶滅に瀕した恐竜の足元を小型齧歯類が走り回る地質学的転換点を連想してしまう。
※AERA 2023年10月30日号