天皇陛下と雅子さまは、栃木県の那須御用邸に咲くゴヨウツツジが好きで、「この純白の花のような純真な心を持った子どもに育ってほしい」と願いを込めて、愛子さまのお印としたという。愛子さまがこの日、お印の花飾りの帽子を選んだということは、それだけ美智子さまへのごあいさつを大切に思っているのだろう。
成年皇族は、宮中行事や公務へ出席する。愛子さまが成年を前にした時期、宮殿行事などで着用する正装のドレスにあわせる帽子をいくつか新調した。
父である故・平田暁夫さんとともに、親子2代で皇室の帽子デザイナーを務める平田欧子さんは、20代の女性皇族となる愛子さまの清楚な雰囲気に似合うだろうと、花飾りのデザインを提案した。愛子さまの最初の帽子にふさわしいデザインと選ばれたのが、今回の訪問で被っていたお印であるゴヨウツツジの帽子だった。
平田さんの提案に対して、愛子さまは、にっこりと笑い、こう答えた。
「あ、それもよいですね。お願いします」
愛子さまは感情が豊かだ。うれしいと感じるときは、素直に表情にあらわれる。愛子さまが笑うと、その場の空気がふわっと明るくなったという。