上皇后、美智子さまが10月20日に、89歳の誕生日を迎えた。この日に天皇、皇后両陛下と長女の愛子さまはお祝いのあいさつのため赤坂御用地を訪問した。ご一家の顔からマスクが消え、優しい笑顔に沿道の人びとから歓声がわき起こる。御用地に向かう沿道でひときわ注目を集めたのは愛子さまだ。そのとき、愛子さまが被っていた帽子には可憐な花飾りが添えられていた。その花飾りに込められた思いを紐解いた。
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「愛子さま」「かわいい」
愛子さまをひと目見ようと集まった人から歓声が起きた。にっこりとほほ笑む愛子さまの表情は、すこし大人びたように感じる。落ち着きが増した愛子さまの口元は、美しい桃色のリップで彩られていた。
愛子さまは20日、美智子さまの89歳の誕生日のあいさつのため赤坂御用地を訪問した。午前10時40分過ぎ、皇居半蔵門から愛子さまを乗せた車が出発。愛子さまは、日中の正装であるローブモンタント(長袖ロングドレス)に、共布でつくられた帽子を被っている。帽子は花と一緒に編み込んだリボン飾りで品のよい華やかさ。淡いサーモンピンクのドレスが愛子さまの雰囲気によく似合う。
記者が注目したのは、帽子に添えられた花飾りである。9月に誕生日を迎えた秋篠宮家の紀子さまへのごあいさつでは、ふんわりとしたリボンの帽子を被っていた。実は今回の帽子の花は、愛子さまのお印であるゴヨウツツジ。皇族はそれぞれ自分だけの「お印」を持つ。皇族として生まれた赤ちゃんは名前と共に、結婚で皇室に入る女性皇族は、そのときに「お印」が決められるのだ。