しかし、スタジオに流れ続ける彼のガヤは確実に現場の空気を温めて、番組全体の盛り上がりに貢献していた。あってもなくても成立はするが、全くないとどこか物足りない。ガヤというものは、番組収録においてベース音のような役割を果たしていたのだ。
また、藤本は30年を超える長いキャリアを持つ中堅芸人であるにもかかわらず、どこか後輩からも低く見られるようなスキを残しているところがある。そういうなめられる要素があるからこそ、いまだに若い芸人やタレントとも横並びでひな壇に座ることができているのだろう。
ひな壇芸人のトップ
かつて「ひな壇芸人」の代表格と言われていたのは、品川庄司の品川祐だった。しかし、彼は生来の嫌味っぽい性格と鼻っ柱の強さがあだになり、不人気のために仕事を減らしてしまった。
最近では「ひな壇芸人」という言葉自体を耳にする機会もほとんどなくなったが、事実上、そこで長くトップに近いポジションにいるのは藤本だったのではないか。