フィギュアスケートの2023-24シーズンの本格的幕開けとなるグランプリ(GP)シリーズ。日本女子選手たちが熱い戦いを繰り広げる。AERA 2023年10月23日号より。
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GPシリーズの出場者は日本女子も層が厚い。世界女王の坂本花織(23)は新ショートにドラマ「コウノドリ」の曲を選んだ。
「姪と甥が生まれて、可愛くて、この曲を選びました。初めて自分でやりたいと思った曲なので気持ちを込めて滑ります」(坂本)
美しいメロディーを、坂本のスピード感溢れるスケーティングが牽引し、爽快さと生命の力強さが伝わってくる演技だ。
ジャパンオープンでは、早くもフリーでパーフェクト演技を披露し、非公認ながら149.59点の高得点をマーク。
「昨季の前半は(北京五輪を終えて)『今、自分は何に向かって頑張ってるんだろう』という気持ちの時期もありました。今年はシーズン序盤から調子が上がっているので、自分らしさを忘れずにやりたいです」(坂本)
五輪に行く未来を表現
2年ぶりのGPシリーズ参戦となる樋口新葉(22)は、今季の目標を「楽しむ!」と決めている。北京五輪後、右足の疲労骨折が判明し、昨季は休養。今年4月から練習を再開した。
「今まで当たり前にできていたことが一旦できなくなって、それがまたできたときの喜びが面白くて、毎日の練習を楽しんでいます。その気持ちをそのまま試合で出せたら」(樋口)
またGPファイナル女王の三原舞依(24)は、5月に羽生の拠点だったトロント・クリケットクラブで振り付けとスケーティングレッスンを受けた。
「カナダにスケート留学させていただいて、もっと強くなりたいと思いました。どんな場面でもベストを尽くそうと、オフシーズンから睡眠やトレーニングを意識して身体を作ってきました。今季はGPファイナル連覇と世界選手権の表彰台を目標に、全力で頑張りたいです」(三原)
また、渡辺倫果(21)は昨季、GP初参戦ながらスケートカナダ優勝、GPファイナル進出と、一躍トップ選手入りした。今季のフリーは、自らのスケート人生を表現する。