僕はサラリーマンをやったことはありませんが、職場の誰かについて「あの人のこういうところ、おかしくないですか」と言うのはリスクが大きい行為だと想像します。誰かに喋った以上、「あの人が悪口言ってた」と伝わる可能性もあるし、メンツを潰してしまうと、敵対するどころかどちらかが辞めなきゃいけないほどの事態にもなり得ます。

 だから、相手を敵にしてしまう可能性はやっぱり減らしておいたほうがいい。

 それでどうするかという話ですが、こういう猪突猛進気味な人の場合、僕だったら直接飲みに行って、まず自分の相談をすると思います。飛び越えて上司に相談したり、他の人に「あの人のやり方どう思いますか」とか相談したりすると、敵対関係になる可能性があるから。

 だから飲みに行って、作り話でもいいから自分の悩みを打ち明けます。こうしたらいいんじゃない?とアドバイスしてもらって、味方として引き込む。そうやって懐に飛び込んだ後で、相手の話に移って問題点を伝えるのが、いいのではないかと思いました。

「いい人なんだけど」っていう前置きが自分の中から出てきたときは、注意してください。自分を納得させるための前置きが必要なほど、許せない部分が出てきているということ。以前とは違う距離感になってしまった関係でも、昔のままの仲の良さをキープしなきゃという謎の義務感をさそり座は抱えている面があります。

 戦略的に人間関係をドライに処理していく方法を学ぶことは、さそり座にとって修業の一つかもしれません。

AERA 2023年10月23日号

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