「歴代連勝記録のトップに立ちましたが、14歳の藤井四段にとってこれは序章」
愛弟子をよく知る師匠の杉本昌隆現八段は、そんなコメントを残した。
以来17歳で初タイトルの棋聖位、20歳で七冠目の名人位に就き、6年連続で勝率8割を超えるなど、将棋史上の主要な年少記録、最高記録を更新し続けてきた。
そうして迎えた今期王座戦。藤井は数々のピンチをすべて乗り切って、まだ21歳の若さで、夢の八冠を達成した。
「全冠制覇も藤井八冠にとってはゴールではありません」（杉本師匠）
藤井が棋士になってから、まだ7年しか経っていない。実力向上を目指しながらの現役生活は、これからも長く続いていく。その時間軸で考えれば、八冠制覇ですら、あるいはもしかしたら、藤井伝説の「序章」の中にあるのかもしれない。（ライター・松本博文）
※AERA 2023年10月23日号
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松本博文
沖昌之
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