オンラインの説明会で謝罪する全国銀行資金決済ネットワーク

 全銀ネットによれば、今回のシステム障害の影響が及んだ取引は不具合が起きた10日に送金と着金側の双方を合わせて302万件、11日に同204万件と、2日間で計506万件に上った。

 影響が出た金融機関の一つ、三菱UFJ銀行は11日にホームページで店頭での他行への振り込みの受け付けは午前11時まで、ATMやネットバンクは正午までに制限した。

銀行側も待つしかなかった

 東京商工リサーチ情報本部情報部の原田三寛部長によれば「今のところ、今回の不具合をきっかけに、企業が倒産したという情報は入ってきていません」という。

「ただし、送金や着金など現場レベルでの確認が思うようにいかなかったようです。企業と直接やり取りするのは取引相手の銀行ですが、今回の場合、銀行側も全銀ネットの対応を待つしかありませんでした。資金の余裕のない企業にとって、予定していたお金が入ってこないのは死活問題。企業の担当者に状況をもっと早く知らせるなど情報提供のあり方を考える必要があります」

 全銀ネットによれば、11日時点で原因はいまだ不明であるものの、不具合が出た場所の特定はできているという。全銀システムと各行をつなぐ「中継コンピューター」の更新作業が原因とみられ、銀行間の手数料が適正かどうかをチェックするプログラムに不具合があったとみている。復旧にあたっては、この機能を単純化する形で作業を進めた。

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更新や刷新にあたって備えるべきリスク