で、再び自分の話に戻りますが、私が今まで関わってきた番組を思い返してみると、圧倒的に「バーや飲み屋のママ」という設定が多いことに気づきます。今も続いている「スポーツ酒場“語り亭”」を筆頭に、この十数年でいったい何軒の店を切り盛りしてきたことか。中には潰してしまった店も少なくありません。

 ごくたまに来るドラマや映画の話も、9割方「ママ役」「女将役」もしくは「飲み屋の常連客役」です。

 時には「安直な演出だな……」と思うこともないわけではありませんが、これはこれで自分にとっての「定位置」という安心感は正直ありますし、それ以外のキャラクターもたくさんやらせて貰っているので、贅沢は言わずにしっかりまっとうしようと思う次第です。

 同じ水商売系だと、ここ数年の吉村崇さん(平成ノブシコブシ)が凄い状態になっているのを皆さんお気づきでしょうか? トーク番組などにおける吉村さんのキャラクターは、ほぼほぼ「夜職の人」です。フロア、バーテンダー、カジノディーラー、雇われ店長、など、本物の夜職界であれば、お客を誘導し、接客をし、他のスタッフたちのバランスをとり、しっかりと儲けを出した上に、後片付けまでしなければならない、もっともタフなポジション。

 そんなタフな役回りを、テレビ番組のキャラにおいて、吉村さんは忠実に誠実に務め上げています。どの現場で会っても、たいてい蝶ネクタイか細い黒タイにベストを着て、台本片手に「担当する店の売り上げ」を真剣に考えている姿は、神々しさすら覚えるほどです。

 いつの日か、吉村崇がテレビ界の「名物叩き上げオーナー」になる日が来るのを楽しみにしています。その際には、是非とも昭和臭がプンプンと漂う、井上順・愛川欽也の系譜を継いだ「C調でやや高圧的な司会像」を令和の世に復活させて頂きたいものです。

 私も芳村真理を目指して、粛々とママ業頑張ります

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