ダイニングテーブルは部屋の端に追いやられて物置き状態/ビフォー
この記事の写真をすべて見る

 5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。

【オドロキのアフター】すっきり、家族がくつろげる場に

case.57  自分に合った片づけ方を見つけた喜び

夫+子ども4人/看護師

 片づけられない人の話を聞くと、できない理由をいろいろと教えてくれます。

「小さな子どもがいるから」「仕事が忙しいから」「時間がなくて」

 どれも、もっともな理由です。でも今回ご紹介する睦子さんは、自分の家をきれいに片づけた今、これらの理由に対してきっぱりと言い切ります。「それは、錯覚です」と。

 フルタイムで看護師の仕事をこなし、家では18歳から9歳まで4人の子どものママでもある睦子さん。家族の人数に比例してモノの量が多く、いつも散らかっていました。

「片づけが苦手なので、後回しにしちゃうんですよね。あとは職業柄、緊急性と重要性を考える癖もあって、生きることに直結するようなことを優先していました」

 夫と4人の子どもたちも片づけは苦手。一度、業者に依頼して家の中を片づけたものの、家族それぞれモノが増えていき、また元の状態に戻ってしまいました。本当は人を家に招くことが好きなのにそれもできず、睦子さんはなんとかしたいと解決法を模索します。

「本屋で“断捨離”などの見出しが書いてある雑誌があったら買って、試したこともありました。でも続かないし、うまくいかない。誌面には理想論が書かれているから、私には無理なんだとあきらめていました」

ある日、SNSを見ているときに家庭力アッププロジェクト®の存在を知りました。“家庭力”や“プロジェクト”という名前に興味を持ち、単なる片づけで終わらない内容に惹かれました。「片づけ以外にも何か得られることがあるなら……」と思い、参加を決めます。

次のページ
「こんなにのんびりしてて、いいのかな」