片づけによって効率的に動けるようになったこと、さらに片づけや探し物に費やす時間がなくなったことが余裕につながっています。さらに、“時間の見積もり”ができるようになったことも大きいと睦子さんは言います。
「例えば片づけの場合、『これは10分でできるな』とか『5分あればここをきれいにできる』ってわかるようになったんです。何かをするためにわざわざ時間を確保しないといけない、という感覚がなくなりました」
これまでムダにしていた隙間時間をうまく活用できるようになったので、時間的な余裕が生まれているのでしょう。これからはもっとパワフルに動きたいと、将来について話してくれました。
「片づけを通して身についた習慣は、他のいろいろなシーンで活かしていけると思います。迷うぐらいなら、まずやってみる。やってみてダメだったらしょうがない、みたいな考え方もそうですね」
以前は楽しそうなことを計画しても、なかなかエンジンがかからずに動き出せなかったという睦子さん。「時間があって健康だったら、なんでもできる!」と、とてもポジティブに変わりました。
「片づけで得られるのは、家がきれいになるだけじゃないっていうのは本当でした。時間と気持ちに余裕ができて、子どもの成績も少し上がったし。あとは、私の収入が増えるといいですけどね。増えたらご報告しますね!」
睦子さんからのうれしい報告は、そんなに遠い未来ではないような気がします。片づけで悩んでいる方はもちろん、現状の何かを変えたいと漠然と思っている方は、10分だけ身の回りを片づけてみませんか?そこから少しずつ変化が生まれるかもしれませんよ。
●西崎彩智(にしざき・さち)/1967年生まれ。お片づけ習慣化コンサルタント、Homeport 代表取締役。片づけ・自分の人生・家族間コミュニケーションを軸に、ママたちが自分らしくご機嫌な毎日を送るための「家庭力アッププロジェクト?」や、子どもたちが片づけを通して”生きる力”を養える「親子deお片づけ」を主宰。NHKカルチャー講師。「片づけを教育に」と学校、塾等で講演・授業を展開中。テレビ、ラジオ出演ほか、メディア掲載多数。