藤丸氏の後ろに映り込んでいる「つみたてワニーサ(NISA)」のぬいぐるみがかわいい(撮影/門間新弥)

当時、東京学芸大学の卒業に124単位必要なところ4年生までに取ったのが10単位だけだった。

 裁判所事務官の試験をパスしていたので、そのまま就職する選択肢もあったが、「大学は出ておいたほうがいいという周囲のアドバイスを受けて、5〜6年生で体育も含めて残りの単位をそろえました」。

 さらに大学院に入るため、経済と法律を一気に学んだ。

 短期集中型で結果を出す藤丸副大臣のやり方には、このときの経験が生きているのかもしれない。

普通の人がミリオネア

 藤丸副大臣が政界の「長期投資応援団長」として知られるきっかけとなったのは、2018年のつみたてNISAの創設時だ。

「つみたてNISAの導入に向けて関係者をどう説得しようかと考えていたとき、誰かから『米国ではごく普通の仕事をしている、普通の人がミリオネアだ』っていう話を聞いたの。

 401k(企業型確定拠出年金)が1978年に(内国歳入法に)追加されたでしょう。

 そのあたりから30年以上、つみたてを続けてきた普通の人がいるわけですよ。

 コツコツつみたてれば、投資のプロじゃなくても成功できるんだって。

『つみたてをしているアメリカ人はザラに1億持ってるんだ』って、自民党の会議で言いふらしましたよ。ザラにじゃないかもしれないけど(笑)」

 ここで藤丸副大臣は「これ見て、ずっと使ってたやつなんだけど」と、取材陣の前にオリジナルの資料を広げた。

「1981年から、月100ドルを約40年で72万ドルなのね。

 それを1ドル=140円で計算したら、毎月1万4000円を約40年で1億円を超えてくるわけ。

 150ドル(2万1000円)だと多すぎるくらい。

 このときのS&P500の40年間の平均利回りは複利でだいたい7%(配当なし、円建て)なの。

 もうね、このグラフを見せて『だからつみたては必要なんだ』って説いて回りました」

 藤丸副大臣は、米国株が上がり続けた理由の一つとして年金制度の移行もある、と語った。

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