そのためには、人気企業が出てこないといけない。

「株価は結局、企業の人気を表すものですから。東証には投資家を魅了する人気企業が生まれるような施策を、とお願いしています」

みんな裕福になってほしい

 岸田文雄首相が「新しい資本主義」の旗を掲げる前から、藤丸副大臣は「本来の資本主義」をやりたかったという。

「金融には銀行を通じて企業に資金を融通する間接金融と、投資家が株式を通じて企業とつながり、投資家にリターンがダイレクトに届く直接金融があります。

 本来の資本主義は後者です。株式市場をフル活用する直接金融が進んでいる国が米国や英国なんです」

 藤丸副大臣は「株価が上がれば多くの人が幸せになります」と強調する。

 株価上昇で個人の資産が増え、企業が株式市場で調達した資金を投資や研究開発に充て、日本経済の成長をもたらす。株価上昇は年金問題の改善にも役立つ。

「みんなに裕福になってもらいたいと思っています」

 剣道、柔道などの趣味に加え、ピアノやドラムもこなす藤丸副大臣だが、最近はプライベートがほぼない。

「NISAの次はDC。改革は道半ばよ」と意気込んだ。

「日本も米国のように、市場に確実に資金を供給するDCを中心にしたい。そのためにもっと魅力的な制度にしないと」

 iDeCo(個人型確定拠出年金)を含むDCも大改革となったら喜ばしい。藤丸副大臣が趣味の時間を取れない日々は続きそうだ。

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編集/綾小路麗香、伊藤忍

※『AERA Money 2023秋冬号』から抜粋

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