「過激に真相解明」とか「ひたすら切り込む毒舌」とか、テレビの見せ方は多種多様です。しかし、あの「のりP回」に関しては、視聴者の「読解力」「想像力」を信じて、至って普通の会話から「真意や本心」を垣間見る、まさに「あぶり出し」のスタイルで行こうと決めていたのです。
番組も後半に差し掛かろうとしていた時、「中年女性の日々の健康法」の話題になりました。私は「酒井さんは運動などいかがなさっていのですか?」と問いかけました。「最近は、朝からウォーキングしたり、たまに走ったり? うん。してますよ」とのりP。この会話のラリーをしながら、さすがにちょっと意地悪なボレーぐらい打った方がいいものか、そんなことを考えながら「へえ」「ジョギングもですか?」などと相槌を打っていた、その時です。まさかの出来事が起きました。
「なーんて。私が健康語るなよって感じでしょ? うふふ」と、のりP側から特大スマッシュが撃ち込まれたのです
スタジオ中に張り詰めていた緊張感が一気に解れ、皆一様に「のりPすげぇ!」と圧倒されたのを今もはっきり憶えています。
アイドル酒井法子の瞬発力・間・賢さ・可愛さ・したたかさ。完璧に「務め」を果たすとは、まさにこれだという瞬間でした。何より、あの時見せた「悪い顔」が忘れられません。ますます彼女を好きになりました。
というわけで、「私がもっともやりにくかったゲスト」は、酒井法子さんではありません。残念でした!
「じゃあ、やりくいゲストは誰だったんだ?」。もし、もう一度訊いてもらえるチャンスがあるなら、その答えはちゃんと用意してあります。
『芸名を「池畑慎之介」に統一し、番組内で「ピーターさん」と呼ばれることを嫌がっていた時期のピーターさん』です。やり辛かった……。
その後、あの「ピーター禁止令」はどうなったのか。コロナのドサクサに紛れて、またいつの間にか普通に「ピーターさん呼び」に戻っています。やりにくいので、是非ともこのままでお願いしたいものです。