小島よしおさん

―――親が子どもの悩みに答えるのって意外と難しいですよね

 たぶん、ちゃんとした答えを決めなくていいんだと思います。この本でも意識したように、「パパやママはこう思うけど、どう思う?」って最後に子どもに振ってあげることが大事かな、と思いますね。

―――その他の読みどころは?

 ページの隅っこに僕の写真がパラパラ漫画風に入っているんですよ。編集さんのこだわりで入れたんですが、一枚一枚写真を入れてちゃんと一冊で動きが完結するようにするには大変だったみたいです(笑)。手に取ったらぜひチェックしてみてほしいです。

―――さかなくんとの対談もありますね

 そうそう。いろいろ話せて面白かったです。親の話もしているんですが、さかなくんもうちも、親が自由にやらせてくれたのは似ているかな。まあうちの親父はずっと選挙活動をやっっていたし、2番目の子供だったし、どっちかっていうと構ってる暇がない、という感じだったのかな。

―――お母さんのイメージは?

 とにかく明るくて、常に動いている、って感じですね。沖縄料理屋さんをやっていたんで、サーターアンダギーを作って販売したり、ママさんバレーに行ったり、かと思ったらいきなり中国語講座をとって中国語の勉強して、中国人の友達を家に連れてきたり。

――勉強のことはうるさく言われなかった?

 唯一言われたのは、大学行きなさいってことかな。僕は高校までずっと野球やっていて、本当はプロ野球選手を目指していたんですよ。でもその夢は諦めることになって、それからはあまり目標はなかったんです。交通警備とか引っ越し屋さんとかいろいろなアルバイトをしていて、それぞれのところでかっこいい人にも出会っていたんで、大学行かないで就職するのもいいかな、と思っていました。でも、母親に「大学には行ってね」と言われて、そうしようかな〜と(笑)。

―――それで早稲田大学に?

 でも大学受験を決めたのは高3の冬ごろになっていたので、想定通り浪人が決まりました。そこから早稲田大を目標にしたんです。やるからにはちょっと周りを驚かせたいと思ったんで。両親にも友達からも「無理!」って言われましたが逆に燃えましたね。

―――そこで勉強したことが今にも役立っている?

 早稲田では教育学部に入ったんですが、その経験は今のYouTubeチャンネル「小島よしおのおっぱっぴー小学校」とか、今回の本にも役立ってますね。この年になって改めて勉強って学生時代だけのものじゃないな、って思うんです。だから子どものうちから学ぶことを嫌いになってほしくない。今回の本で勉強や友達関係など子どもが持っているモヤモヤした気持ちを少しでも整理してあげて、子ども自身がもっと行動できるようになったら嬉しいです!

小島よしお(こじま・よしお)/1980年、沖縄生まれ千葉育ちのお笑い芸人。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業。「そんなの関係ねぇ!」でブレーク。2020年4月からYouTubeチャンネル「小島よしおのおっぱっぴー小学校」で子どもの学習を支援する動画を公開。キッズコーディネーショントレーナーの資格を持ち、子ども向けのイベントを多数開催している。『小島よしおのボクといっしょに考えよう』(朝日新聞出版)が好評発売中!

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