アニサキスの幼虫=写真提供・嶋倉准教授

気をつけるのはサバ以外も

 嶋倉准教授によると、過去5年間でアニサキスによる食中毒は2096件あったが、発生原因となった魚はサバ類が330件と圧倒的に多い。続いてカツオ(106件)、アジ類(78件)、イワシ類(53件)、サンマ(41件)、ヒラメ(37件)、ブリ(29件)、サケ(20件)となっている。

 いわゆる「光り物」が目立つ印象だが、このほかの魚やイカでも発生しており、

「季節を問わず注意が必要です。すべてが報告されているとは考えづらく、発生件数ももっと多いと考えられます」

 と嶋倉准教授は補足する。
 

アニサキスの幼虫=東京都健康安全研究センター提供

 それでは、安全に刺し身を食べるためにはどうすればいいのか。

 アニサキスは、魚をマイナス20度で24時間以上冷凍するか、十分に加熱することで死ぬ。

 また、アニサキスがいないか目視で確認するほか、自身で魚を釣った場合はすばやく内臓を取り除くことも有効だという。

寄生したアニサキス(円の中)=東京都健康安全研究センター提供

  嶋倉准教授も大の刺身好きで、魚を自らさばくこともあるそうだが、イサキやキンメダイなど、薄造りでも美味しい魚は薄く切って、アニサキスが見つかりやすいように工夫しているという。
 

  ちなみに「ワサビなどの薬味や酢で、アニサキスが死ぬことはない」(嶋倉准教授)そうだ。
 

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死んだアニサキスも怖い