左手の中指に見えるファミリーリング。婚姻解消後に「家族の証」としてpecoさんと購入した

 ryuchellが亡くなったことはとても悲しいのですが、悲しいからと言って思い出にフタをするのではなくて、「ryuchellはこんなことを言っていたよね」とか、「ダダはこんなことをしていたね」とか、いっぱい思い出せる自分でありたいし、本当に楽しかったね、と言いたいです。息子もryuchellについて前向きに話してくれて、よく2人で笑っています。

 悲しくてryuchellの写真を見れない日もあるけど、息子がいるから、前を向けます。息子の姿に助けられます。私は息子の強さで、これから一緒に乗り越えていけると感じています。

――昨年、婚姻解消をされた際に、「新しい家族のかたち」になると表明されました。これからはどうなるのでしょうか。

 ryuchellが息子の親であることは今後も変わりません。そういった意味で私たちはずっと家族なんだと思います。

 ryuchellと出会って、結婚して、出産したと思ったら、カミングアウトがあり、ryuchellが女性になって、そしていなくなってしまいました。

 私の目線から見ても大変な経験だと思いますし、息子の目線でもパパが女の子になって、いなくなってしまって、と同じだと思います。

 「多様性」とか、「家族のあり方」と言葉で言っても、その内実はとても難しい話がたくさんあります。ryuchellがいなくなっても、私たちが経験したことがどういったものだったか、というのはこれからも伝えていければと思っています。

左手の中指にはryuchellさんと購入した「ファミリーリング」があった
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