「学生時代から統計学が好きです。購買データやTVで紹介された日時などの情報を収集して組み合わせ、独自で分析をしていました」。自分の中で経験値が上がるのが楽しいと竹崎さんは言う。

「なぜ買うのか」「なんで読むのか」をもっと掘り下げる

 本の中身が良ければ売れる時代は終わった。いかに消費者(読者)に知ってもらうかが、重要になる。

「本を読むことに興味がない人や読書習慣がない人に、どうやって本を読む機会を作ってもらうかを常に意識しています。読者に対するベネフィットと、一般生活者に対するベネフィットが両輪となることで、本の価値はより高まっていきます。『なぜ買うのか』『なんで読むのか』。出版イノベーション事業部としては、生活者インサイト(潜在的に欲しているモノ)を読み解く力を今後はもっと強固にしていきます。データを活用することで流通や販売を効率化し、出版社が抱える課題をサポートしていくことが、未来の出版業界の発展につながっていくのです」(竹崎さん)

(朝日新聞出版・長谷川拓美)