94年はイチロー(オリックス)が初の「シーズン200安打」。04年は松中信彦(ダイエー=現・ソフトバンク)が三冠王。ちなみに82、85、88、94、04年の5度とも優勝は西武だった。
オリックスは95、96年と2連覇するので、イチローは94年から「3年連続MVP」に輝く。優勝いかんに関わらず3年連続MVPは、76年(優勝阪急=現・オリックス)からの山田久志、おそらく今季も受賞するだろう山本由伸らオリックス勢しかいない。巨人の王(2年連続4度)・長嶋茂雄(2年連続なし)さえできなかった偉業である。
【3】「優勝チーム以外からの投手MVP」は最低でも2冠
80年(優勝近鉄)は新人・木田勇(日本ハム)が「最多勝(22勝8敗)」「最高勝率」「最多奪三振」「最優秀防御率」の投手4冠に輝きMVP。90年(優勝西武)は新人・野茂英雄(近鉄)が、「最多勝(18勝8敗)」に加え、「トルネード(竜巻)投法」から繰り出すフォークを武器に287個の「最多奪三振」で、球界を席巻してMVP。新人の大活躍は強烈だった。
05年(優勝ロッテ)の杉内俊哉(ソフトバンク)は「最多勝(18勝4敗)」「最優秀防御率」の2冠。08年(優勝西武)の岩隈久志(楽天)は「最多勝(21勝4敗)」「最優秀防御率」「最高勝率」の3冠。岩隈のMVPは、88年門田以来のBクラスチームからの選出の快挙だった。14年(優勝ソフトバンク)の金子千尋(オリックス)は「最多勝(16勝5敗)」「最優秀防御率」の2冠。すなわち「優勝チーム以外からの投手MVP」は最低でも2冠を獲得している。