ジャニーズ事務所が入るビル(東京都港区)

 ジャニーズ事務所は9月19日の取締役会で、株式の取り扱い、社名変更など今後の会社運営に関わる方向性について「10月2日に示す」と公式サイトで発表した。ジャニーズ事務所の今後については、新会社設立の可能性に言及するコメンテーターも多いが、専門家はその危険性を指摘する。

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 現在、ジャニーズ事務所の株式は、代表取締役の藤島ジュリー景子氏(57)が100%保有している。仮にその株を分割する場合、分割の仕方によっては様々な事態が予想されるという。

 中央シティフィナンシャルグループ代表で税理士の南村博二氏がこう話す。

「株式の3分の2以上を持っていれば社名の変更や新会社の設立、合併などの重要な決議は全部、独断で決めることができます。50%超を保有していれば、人事案件などの通常の決議にも大きく影響を及ぼします」

新会社にして譲渡は可能

 そして、仮に新会社を設立するとなるとどのようなケースが想定されるのか。

「最近は事業譲渡、事業再編という手法が駆使される時代になっていて、営業譲渡という方法を使えば新会社に譲渡はできます。ジャニーズとメディアとの取引関係も、別の法人に移すことは可能です」

 南村氏はそう説明し、危険性についても触れた。

「しかし、不祥事を処理するために、問題を起こした企業のいいところだけを新会社に譲渡するのは”抜け殻方式”とも呼ばれています」

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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要するに“ロンダリング”なんですよ