東京国際映画祭のレッドカーペットに立つ後藤久美子(2019年)

 トップF1レーサーだったジャン・アレジと恋に落ち、人気絶頂の21歳で略奪愛の末に幸せをもぎ取った後藤久美子(49)。1996年の渡欧後はほぼ露出ナシの実質休業状態だったが、9月に2024年新春放送のスペシャルドラマ「顔」(テレビ朝日系)で同じ事務所の後輩・武井咲とダブル主演を務めることが発表された。自ら「オスカープロモーション所属歴40年の幽霊会員」(同ドラマの記者会見)と自虐するが、50歳を目前にして、どのような心境の変化があったのか。

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 後藤と言えば、80年代後半の「美少女ブーム」の立役者であり、元祖「国民的美少女」として知られる。のちに米倉涼子(20年に退所)や上戸彩、武井らを輩出することになる、オスカープロモーションの「国民的美少女コンテスト」創設のきっかけにもなった。同時代に活躍し、「3M」と呼ばれた宮沢りえ・牧瀬里穂・観月ありさといった美少女たちと違い、後藤はメディアにこびない独特な立ち位置をキープしていた。

「経済的に恵まれた家庭に育ち、小学生のころからモデルとして活動した後藤さんですが、同年代のアイドルたちと比べるとガツガツした上昇志向がないのが印象的でした。90年代前半は“ゴクミ”と呼ばれ社会的なブームになったのに、出演作品は意外にも多くない。美少女ブームのきっかけになったことで、周囲からものすごく持ち上げられ、山田洋次監督をはじめ大人たちにも愛されていました。本人はそういった周りの人への恩返しのつもりで、芸能活動を続けていたのかもしれません」(芸能ライター)

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雛里美和

雛里美和

ライター。新宿・十二社生まれの氷河期世代。語学系出版社から邦ロックシーンを牽引するライブエージェント(イベンター)を経て、独立。教育からエンタメまで幅広い分野で活動する。

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自分が一肌脱ぐしかない