デカい選手相手に技をかけようとしても、自分のタイミングだけじゃあダメで、場数を踏んで、何度も対戦しないと技はかからない。やっぱり“間”というものがあるんだ。逆に、デカいやつはどうしうたって、持ち上げられると高さがある分、ボディスラムなんかの投げ技も受けるとダメージもデカいんだ。
それなりの経験と覚悟が必要
だから、技をかけるのも受けるのも、デカいレスラー相手には、それなりの経験と覚悟が必要になる。また、からだこそそんなに大きくなかったが、俺の中ではビル・ロビンソンやザ・デストロイヤーも戦うと、実際よりも大きく感じた選手だ。おそらく、ロビンソンの強烈なバックブリーカーや、デストロイヤーの太い足で決まったら抜けようがない足4の字固めをやられたときの印象が強かったんだろうね。
一方で、小兵レスラーといえば、なんといってもグラン浜田だ。167センチの小さなからだでメキシコにわたって、トップに上り詰めたことを尊敬している。彼が修行していた当時のメキシコはリングがほとんど板みたいな硬さだし、マットの下はむき出しのコンクリだし、大変な環境だったはずだ。だからこそ、受け身も逃げ方も上手くなったんだろう。
日本にルチャリブレを持ってきたパイオニアで、帰国した当時はメキシカンスタイルのレスリングがなかったこともあって、小柄でもリングの上での存在感は図抜けていたよ。俺が小兵選手と言われて思い浮かぶのは、後にも先にもグラン浜田選手しかいない!