作家・画家の大宮エリーさんの連載「東大ふたり同窓会」。東大卒を隠して生きてきたという大宮さんが、同窓生と語り合い、東大ってなんぼのもんかと考えます。今回は角野隼斗さんがニューヨークに引っ越した理由をお聞きしました。
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大宮:バンドもしてるんですか。
角野:はい。「Penthouse(ペントハウス)」っていいます。
大宮:いつから始めたんですか。
角野:大学1年からバンドサークルに入って。1、2年のころは、サークルでセッションしてました。
大宮:そのサークル、私がいた頃からあったのかな。
角野:あります。「東大POMP(ポンプ)」です。
大宮:バンドは全員東大生?
角野:一人は青学で、ほか5人は東大です。
大宮:へえ。東大の授業って面白かったですか。
角野:面白かったけど、あんまり授業に出てなくて。1年のころは、ずっとピアノとかバンドとかしてたから。3年になって、ようやく真面目になってきたんですけど、3、4年になると授業というよりは研究室になるんで、あんまり授業は受けてた記憶がないんです(笑)。
大宮:バイトとかしてたんですか。
角野:プログラミングしてました。
大宮:すごいなー。
角野:時給がいいんですよ。3千円とか。
大宮:えっ、家庭教師とあんまり変わらないよね、そうしたら。
角野:でも家庭教師は、その場にいなきゃいけないじゃないですか。プログラミングはどこでもできるから。電車の中とかカフェでもできるし。
大宮:なるほどねえ。数学的なことは、もうやってない?
角野:やってないです。最初は両輪でいきたかったんですけど、ちょっと音楽に集中したいなと思って。
大宮:最近は、チャレンジしようと思っていることがあるんですか。
角野:4月にニューヨークに引っ越したんですよ。それは、自分の中では大きな転換でしたね。
大宮:確かに。なぜニューヨークにしたんですか?
角野:日本の外に住みたかったんです。クラシックだけじゃなくて、ニューヨークはいろんなものがあるから。それは刺激的だなと思ったし。
大宮:何年ぐらい住むイメージ?
角野:アーティストビザが3年取れたんで、3年は住むと思います。
大宮:へえ。どういうことをインプットしてます?
角野:僕はずっと、自分のことを少年だと思ってて。
大宮:あ、少年。いい言葉ですねえ。