妻 堀部結里花[31]ライフセービング選手
ほりべ・ゆりか◆1992年、東京都八王子市生まれ。大学時代にライフセービングに出合い、選手として活動。2011年から現在まで、日本代表に選出。大学卒業後は、小学校や高校で保健体育教師などの仕事をしながら、競技活動を続けている
「水辺の事故をゼロにする」という目的を持つライフセービングには、競技活動もあります。種目は多岐にわたり、夫と私は今、ボードに乗って手で波をこいでスピードや技術を競うレースの「パドルボード」で、世界一を目指しています。
夫は自分より相手を優先する優しい人で、練習時間を削って私の練習を見てアドバイスをくれます。そんな夫を見ていた時、ふと、「同じ熱量で競技に取り組んだ方が面白いのでは?」と思い、「一緒に表彰台に上りたいな」という言葉がこぼれました。
夫婦で日本代表になると決め、昨年、その夢が叶いました。私は大学時代から日本代表として何度も表彰台に上りましたが、比べものにならないほど、うれしかったです。
日本では、ライフセービングに競技があること自体知られていないと感じます。今後、パドルボードを体験する機会を作り、競技の面白さ、そして、自分の身を自分で守ることの大切さを伝えていきたいです。
(構成・小野ヒデコ)
※AERA 2023年9月25日号