4歳のときに台湾で母と一緒に撮った写真(画像=本人提供)

 5歳まで両親と離れて祖父母と暮らし、それ以降も「他者の気持ちがわからない」「本音を話せない」ことから寂しさを抱き続けてきたMIOさん。しかし、20代以降に出会った「インド」と「ラジオ」の2つが、人間が生きることにおける“本質的な喜び”を教えてくれた。

 また、子どもが生まれたことも、MIOさんにとって大きな出来事となった。

「私は子どもを無条件に愛しているし、子どもも私のことを無条件に愛してくれています。幼少期を父母と離れて過ごしたり、その後もなかなか本音を言えずに生きてきた私の人生になかったものが、やっと埋まった感覚がありました。これまで30年間くらい、楽しい“ふり”をしてきたことに気づきました。でも今は、子どもたちとふざけてるだけで本当に楽しいんです」

10歳のころのMIOさん(画像=本人提供)

 つらい出来事も多くあったものの、大人になってからのさまざまな出会いと自らの工夫のおかげで、今、幸せに過ごしているMIOさん。

 ただ、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とはならず、当時抱いた痛みや寂しさは今も記憶している。だからこそ、今、生きづらさや悩みを抱えている子どもたちに向ける視線も優しい。「生きづらさを感じてる、子どもたちに伝えたいことは?」と筆者が尋ねると、「この質問が、一番悩んだんです……」と前置きしつつ、慎重な口調で、次のように語った。

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「人と違うことは才能なんだよ」