高い知性や能力のために、周囲とのなじめなさなどさまざまな悩みを抱えることも多い「ギフテッド」。好評発売中の書籍『ギフテッドの光と影 知能が高すぎて生きづらい人たち』(朝日新聞出版)では、そんな彼らが困難を乗り越えるまでの半生を紹介している。モデル・ラジオパーソナリティーのMIOさんも、ギフテッドならではの「うつヌケ」を経験した一人だ。「人間の感情がわからない」といい、「考え方のパターン」を学ぶために映画をひたすらインプットし続けた日々を「前編」で紹介した。だが、それでも「本当の自分がわからない」状態は続いたという。「後編」では、そこからどのように精神的な行き詰まりを乗り越えたのかを追った。
※【前編】<IQ130超「ギフテッド」女性が小学校の担任に嫌われた切ない理由 「人の感情を“データ”で理解しようと…」>より続く
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両親から「一番をめざしなさい」「偉い人になりなさい」と育てられたMIOさん。幼少期は他者の気持ちがなかなか理解できなかったが、映画を通じて人の感情を学び、映画のなかの「良い人」の行動を演じるという、持ち前の知能の高さを生かした方法で、なんとか周囲と合わせて生きてきた。
15歳からモデルの仕事を始めたものの、親の期待を超える大成功には至らない。「壁」にぶつかったことで、精神的な“バーンアウト”を経験した。
ただ、モデルの世界に足を踏み入れたことは、すっかりわからなくなってしまった「本当の自分」を探す第一歩になったのも事実だった。