オン資では診療報酬の請求もすべてオンラインでおこないますから、完全移行の後は、紙のレセプト(医療機関が保険者に提出する月ごとの診療報酬明細書)では保険請求ができなくなります。保険請求ができないということは歯科医院に収入が入ってこない、ということになり、該当する歯科医たちは、「われわれに廃業しろというのか!」と怒っていると聞きます。

 なお、日本の保険診療をおこなう医師や歯科医が多く加盟する保険医協会の全国組織である「全国保険医団体連合会」の調査では、導入済み医療機関のうち52%にトラブルがあったことが判明していることなどから、オン資の原則義務化や24年秋からの保険証廃止の撤回を訴え続けています。

 一方、オン資に反対している院長に対し、将来、後継者となる歯科医の息子や娘が困っているという話も聞きます。ある知り合いの歯科医からは、「80代の院長は、『オン資はやらなくていい』と言っているけれど、自分の代になったときに困るから、こっそり申し込みをしたい。ついてはやり方を教えてほしい」と相談がありました。

 このような状態で果たして本当にマイナ保険証が普及し、完全移行できるのか……、私にはとてもそうは思えません。とはいえ、もう導入してしまったので、あまり深く考えずに、世の中の流れに身を任せようと思っています。

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