臨時国会が始まってしまうと、支持率は下がるでしょう。原発処理水やマイナンバーカード、物価高対策など野党から厳しく追及される問題が山積しているからです。岸田首相としてはこのままズルズルとやって、任期満了で降ろされるというのは避けたいところでしょう。
――衆院選、総裁選を乗り越えると、宏池会で最も長く首相を務めた池田勇人氏の在職日数1575日が視野に入ってきます。岸田首相が池田氏と並ぶのは、26年1月と言われています。
岸田首相は池田氏を「尊敬している」と述べていますし、目標にしているところはあるでしょう。岸田首相は「これがしたい」という政策が見えてこないので、そうなると池田氏の在職日数を超えることが目標となってくるかもしれませんね。
――岸田首相は改造後に「思い切った経済対策を実行する」と述べていました。期待は?
支持率回復に向けて思い切った対策を出したいのでしょうが、これまでの政策を見ていると期待はしていません。「異次元の少子化対策」では、十分な対策を示し切ることができていませんでした。聞こえのいい言葉だけの政策に国民は飽き飽きしています。国民の生活は本当に疲弊しています。生活者に寄り添った政策を示せなければ、支持率は回復しないと思います。
――岸田首相の増税路線に対してSNSでは「増税メガネ」などと揶揄されています。今回の人事で、増税路線は変わらないでしょうか。
増税路線は変わらないと思います。今回の人事では官房副長官の木原誠二氏の後任として、岸田派の村井英樹氏が就きました。村井氏は財務省の出身です。財務省にとって岸田・木原は「やりやすい」と言われており、財務省の意向に沿って増税路線の政策が行われてきましたが、同じ路線でいくということでしょう。