
ソーシャルゲームにハマるとなかなかやめらず、ずっとやり続けてしまうのはなぜだろうか? マーケティング&ブランディングコンサルタントで昭和女子大学現代ビジネス研究所・研究員の橋本之克(はしもと・ゆきかつ)さんは、「ソーシャルゲームがやめられない理由は、ゲーム自体の面白さだけでなく、プレイすることで得たものを無駄にしたくないという意識が働くからです」と話す。橋本さんの著書『ミクロ・マクロの前に 今さら聞けない行動経済学の超基本』(朝日新聞出版)から、ソーシャルゲームがやめられない行動経済学的理由を抜粋して紹介する。
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ソーシャルゲームがやめられない原因はゲーム自体の面白さだけではありません。プレイすることで得たものを無駄にしたくないという意識でハマるのです。
「プレイすることで得たもの」とは例えば、
- 競い合った結果の勝利
- キャラクターの成長
- 予想外の発見
- 勝利で得た商品
- 自分以外になる経験
- ゲーム上のステージや地位
- 日ごろと違う特殊な経験
- プレイテクニック
などです。
一度手にしたものは「手放したくない」
人は、一度手にしたものは実際以上に高い価値があると思い、手放したくないと感じます。これを「保有効果」と呼びます。この心理は、所有するものを手放す損を避けようとする点で「損失回避」と似ています。
ものを保有する当人以外は理由がわかりません。またこれは無意識に働く心理なので、本人も、自分が過剰な愛着を感じていることに気づきません。