※写真はイメージです(写真/Getty Images)

世界的な異常気象で、30度以上の厳しい暑さが続いた今年の夏。9月に入っても、夏バテの症状に悩まされる人は少なくない。体調不良が長引く原因と睡眠を妨げるNG習慣、話題の快眠アイテム「リカバリーウェア」の作用について休養・疲労回復の専門家に聞く。

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 夏は屋外と室内との寒暖差が激しく、体温調整がしにくい季節だ。さらに、食欲が低下しているにもかかわらず、冷たいフード・ドリンクを多くとるために、常に内臓が冷えている。また、暑さによる寝苦しさから夜中に何度も目を覚まし、どこかスッキリしない状態で翌朝を迎えることも。

 睡眠改善・休養アドバイスを行う(株)Recovery Adviserの福田英宏氏によると、食欲不振やだるさなどの不調は、夏に限ったものではなく、現代人であれば誰にでも起こりうるのだそう。

「ほとんどの体調不良は、自律神経の乱れが原因だと考えられています。昼間に活動的になる交感神経と夜にリラックス状態に導く副交感神経のバランスが崩れることで、食欲不振やだるさ、睡眠不足などのさまざまな症状が引き起こされるのです」(福田氏)

睡眠改善・休養アドバイスを行う(株)Recovery Adviserの福田英宏氏

 そもそも一日は24時間だが、体内時計の周期は24.18時間とやや長め。その差は、朝に太陽の光を浴びたり、食事や適度な運動をしたりすることで自動的にリセットされてきた。

 しかし、在宅ワークの増加などの理由から、上記のような朝の活動が行われなくなり、少しずつ体内リズムがズレていき、自律神経の乱れを招いているのだ。また、「テレビやパソコンにスマートフォン、コーヒーやエナジードリンクなどの便利なものは、副交感神経の働きを阻害する一面もある」と指摘する。

不調のもと・自律神経の乱れを阻止する方法

 不調の大もとである自律神経の乱れを阻止するには、「体を冷やしすぎない」「質のいい睡眠をとる」という二つのポイントがある。福田氏は「例えば、アイスドリンクはひかえる、室内ではカーディガンを羽織るなどの工夫で、体を温めるようにするといいでしょう」と話す。

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