「高齢者は、筋力の衰えだけでなく、柔軟性の衰えが起きやすくなっています。シニアプログラムでは通常の筋力強化トレーニングに加えて、瞬発的な筋力、筋持久力、バランス能力を鍛えるため、柔軟運動やバランスマット上でのトレーニングを取り入れています。あわせて高齢者の運動にあたっては、安全管理が必須です。ライザップでは会員一人ひとりに専属トレーナーがつき、それぞれに合った正しいトレーニング方法をマンツーマンで指導しますが、トレーニングの間は常に転倒防止に配慮しながら補助をおこないます」

 高齢者は持病を持っていることが多く、疾患によって運動が悪影響を及ぼすこともあるため、事前のカウンセリングでのチェックは必須で、必要に応じて医師のチェック、指導を受けることが勧められます。ご自宅で運動を始めてみるときも、かかりつけ医に注意事項など相談してから始めると、安心して安全に取り組めますね。

 運動は一人で始めても長続きさせることがなかなか難しいものです。「気持ちのスイッチ」をONにするために、パートナーや親子で一緒に取り組む、友人作りもかねて運動サークルなどに加入してみるのもいいでしょう。ジムなどでプロのトレーナーの指導を受けられるのであれば、より安全のサポートが受けられたり、第三者目線からの変化に気づかせてもらえたり、ほめてもらえることでモチベーションアップにつながったりするといいます。自分に合った方法で、成功体験を重ねていきながら、運動を楽しみ、続けていけるとよいでしょう。

(取材・文/坂井由美)

【取材した専門家】
筑波大学名誉教授 田中喜代次氏
ライザップ 川本裕和さん