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今、子どものクルミアレルギーが急増しています。食物アレルギーの原因物質といえば「卵(鶏卵)」「乳」「小麦」が、長い間1~3位で不動の地位を保っていました。ところが、2020年の消費者庁の調査では「小麦」が3位から陥落。「木の実類」に取って代わられたのです。これを受けて23年3月には、アレルギーの特定原材料品目にクルミを表示することが義務化されました(完全施行は25年4月)。

【図版】食品表示が義務化されている特定原材料8品目、表示推奨の20品目はこちら


 アナフィラキシーなど重い症状を引き起こし、時に命に関わることもある食物アレルギー。その最新情報を、週刊朝日ムック「手術数でわかるいい病院」編集チームが取材する連載企画「名医に聞く病気の予防と治し方」から、「子どもが気をつけたい食物アレルギー」と題して全3回でお届けします。第1回はクルミを含む木の実類のアレルギーを中心に取材しました。


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 原因物質の3位になった木の実類には、アーモンドやカシューナッツなどいろいろな木の実が含まれますが、その中で最も多くアレルギーを起こすのがクルミです。クルミのアレルギーは、木の実類によるアレルギー全体の56.5%を占めています。最近はコンビニなどにもナッツコーナーがあったり、ミックスナッツやグラノーラ、カレーやサラダ、料理のソースなどにも使われたり、子どもの口にも入りやすくなっています。クルミやいろいろな木の実で食物アレルギーを起こすことがある、ということを知っておくことが大切です。

特定の食べ物を食べたときに症状が出る食物アレルギー


 食物アレルギーは、「特定の食べ物を食べたときに、アレルギー反応により、からだに不利益な症状が出るもの」と定義されています。症状として最も多いのはじんましんや紅斑(赤くなる)などの皮膚の症状ですが、そのほかにもおなかが痛くなったり吐いたり、喉がかゆくなったりせきが出たり、さまざまなものがあり、最も重篤なのはアナフィラキシーによるショック症状です。

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食品表示が義務化されている特定原材料