自宅にいて自分が好きなことややりたいことに熱中して、自分の世界を掘り下げることもできます。「できます」というより、ぜひ、そうしてあげてください。そういう時間が多ければ幸福感が増しますし、生活全体に張りが出てきます。好きな分野を深掘りすることで自信がつけば自己肯定感も上がりますし、生きる意欲が出てきます。

 また、脳科学によると好きなことに熱中しているときにドーパミンがたくさん出て、脳のシナプスがどんどん増えます。これによって脳の処理能力が上がり、地頭がよくなります。認識力・思考力・判断力・情報処理力・記憶力などが上がるのです。地頭をよくすることで、「いわゆる勉強」においても学力の大幅な向上が可能になります。

大事なのは登校することではない

 また、自分が好きなことに熱中した経験がある人は、自分がやりたいことを自分で見つけてどんどんやっていく自己実現力もつきます。これはAI化やグローバル化が進む激動の時代において極めて大切な能力です。

 ということで、子どもが「学校に行きたくない」と言っても慌てる必要はありません。深呼吸して気持ちを落ち着かせ、ドーンと構えてください。そして、まずは共感的に話を聞くことから始めてください。

 大事なのは登校することではありません。「登校ありき」で臨まず、子どもが安らかな気持ちで幸せに生活できるようにしてあげてください。これが最優先です。

 不登校の子は家にいても安らげないことが多いです。こういう状態が続くのは子どもの精神衛生面で本当によくありません。大事なことなので何度も言いますが、とにかく子どもが安らかな気持ちで幸せに生活できるようにしてあげてください。