雅子さまの前傾姿勢の美しさ
「雅子さまは、那須塩原駅にいらした皆さんに対して前傾姿勢でお話しを聞いていらっしゃいました。そのときの姿勢が、頭上から腰までを真っすぐでした。頭のてっぺんから腰までを真っすぐにするのはお辞儀の所作の基本姿勢であると同時に、相手のお話しをきちんと聞きますという気持ちを表します。雅子さまは、それが自然体でできていて本当に素晴らしいと感じました」
また、雅子さまの会釈が「深め」なのところに、らしさを感じると西出さんは話す。
「会釈は一般的に前傾15度で浅いお辞儀ですが、雅子さまを拝見していると、同じ会釈であっても深いと感じさせます。気持ちというのは行動に表れますから、そう感じさせるのは、会釈ひとつひとつにも心を込められている証であり、国民を思いやる気持ちを感じます。また、会釈の回数が多いのも雅子さまらしさですね」
そんな那須塩原駅での様子は本物のマナーの光景が詰まったものだったと西出さんが振り返る。
「私はいつもマナーの指導のときにお話ししているのですが、マナーとはお互いの立場に立って思いやる気持ちであり、そのことでみんなが幸せになります。天皇ご一家が出迎えられた方々へ配慮なさり、一方、暑い中でも整然とお出ましを待たれていた方たちも天皇ご一家への深い思いがうかがえました。双方に本物のマナーがある光景でした。拝見していて、気持ちがよくなるといいましょうか、そこには互いに人としての美しさがあり、こちらも幸せになる瞬間でしたね。だからこそ何度も映像で報じられたのだとも思います」