報道によると、東京電力にも6千件以上の苦情や嫌がらせの電話がかかってきたほか、福島県や福島市、医療機関、観光施設などにも電話が殺到。電話は東京や北海道、鹿児島など各地に飛び火している。岸田首相も「遺憾なことだ」とし、中国側に申し入れをしたという。
日本に対する中国の不満
中国側はなぜ全面禁輸という強い対応に出たのか。ここまで反発する理由はどこにあるのか。
中国の外交政策に詳しい東京大の川島真教授は「日本に対する制裁の側面が強い」と指摘する。
中国の不満の背景にあるのは、日本の台湾との関係強化や、アメリカの主導する対中包囲網の一端を担ってきたことだ。アメリカは日米韓の連携強化のほか、イギリス、オーストラリアと「AUKUS(オーカス)」や、日本とオーストラリア、インドと「QUAD(クアッド)」といった連携枠組みをつくっている。
8月18日に行われた日米韓の首脳会談では、首脳や閣僚級の会談の定例化や、緊急時の情報共有の仕組みの強化など3か国による新たな合意が発表された。台湾海峡についても「平和と安定の重要性を再確認する」などと言及した。