一方、庶民は比較的自由に相手を選べます。上流~中流階級とは違い、庶民同士なら誰と結婚しても「暮らし」は結婚前と一緒なので、比較的自由だったのです。とはいえ、地域の仲間の介入はありました。

 たとえば、農村や漁村には夜這いの慣習がありました。夜這いは「お前はあそこに行け」などと地域の仲間に管理されていて、その結果、子どもができて結婚するということがよくあったわけです。ただ、それは緩やかな管理で、相手選びは比較的自由だったのです(服部誠「近代日本の出会いと結婚──恋愛から見合へ」平井晶子・他編『出会いと結婚』所収)。

 とはいえいずれにせよ、階層を超えた結婚というものは稀でした。

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