都がこの装置の使用を始めたのは1966年。約1800万円をかけて導入した。これまでに計802日間の使用実績があるという。最後に装置を使用したのは2001年の夏。それ以降、試運転をすることはあっても本格的な運転には至っていない。
過去の報道によると、装置の効果かははっきりしないものの、2001年に稼働させた際はダムの上流で約50ミリの雨が降り、当時の石原慎太郎都知事は「画期的実験の画期的成果」などと称賛したという。また、13年の試運転の際にも雨が降ったことが報道されている。
施設が老朽化したため、20年以降に小河内発煙所など2基を約8000万円かけて更新している。維持費は電気代の基本料金のみで、年約24万円。稼働費は、1時間稼働させた場合、1カ所につき約2万円かかるという。
担当者はこう語る。
「かつては水不足にならないよう年間を通して装置を稼働させていました。水源施設となるダムの整備が進んでからは、渇水した際の対策として稼働する運用に切り替わっています。この20年間でも稼働の準備をすることはありましたが、最終的に渇水が解消され、使用までには至っていません」