事実、試行期間が始まると、午後8時の終了時刻を守らなかったり、家族連れが計20人以上も集まって花火をはじめ、大人はガヤガヤとおしゃべり、はしゃいだ子どもは花火を持って走り回ったり、その騒音へのクレームが届くなどしたという。
ただ、クレームだけではなく、区の試みに感謝する声や「なぜうちの近所の公園はダメなのか」と、花火ができる場所を増やすよう求める意見も寄せられている。
区は、試行期間が終わった後、区民からの意見を集約し来年以降の方針を検討するが、担当者は試みを継続したい意向を示し、こう訴える。
「都会であっても、子どもたちが花火を楽しめる環境があった方がいいはずです。だからこそ、大人こそがルールをちゃんと守って、そして子どもたちを見守ってほしいと強く願います」
アプリで場所を探す
花火製造・卸の若松屋(愛知県西尾市)は、花火ができる公園を探すことができるアプリ「Hanabi-Navi」を2021年7月に開発。現在は東京23区、大阪、愛知など9都府県の約2500の公園の情報を掲載している。これまでに約12万ダウンロードされた。
アプリを作ったきっかけは、2019年から同社が始めた花火に関する体験型講座だ。参加者は当然、花火に興味があるからやってきたのだが、なぜか「最近は花火をやらなくなった」と話す人が多かった。その事情を聞くと、大半が「できる場所がないじゃないですか」と嘆いたという。