「大騒ぎや音の出る花火への苦情は少なくなった印象ですが、花火の燃えカスやゴミをそのままにして帰ってしまう人がまだ目立ちます」(区の担当者)

 世田谷区の駒沢オリンピック公園は、2021年夏から花火利用中止の措置をとった。公園側は「事実は公表している通り」とし、取材には応じなかったが、ホームページでは騒音やゴミの散乱、ルールを守らない花火の利用が続いたことを明らかにしている。

 楽しい場所が、一部の利用者の行為で失われていく。ルールを守って楽しんできた人たちは、たまったものではない。

東京都港区は試行的に解禁

 一方で、住民からの要望を受け、試験的に花火を解禁した自治体もある。

 区立公園・児童遊園での花火を全面禁止していた東京都港区では、今年8月10日から31日まで、一部について午後6~8時まで手持ち花火ができるルールを試行している。区によると毎年、花火をやりたいとの要望が寄せられていたという。

「区でルールを作ってもらえればちゃんと守りますから、できるようにしてほしい、との声も寄せられていました。コロナも明けましたし、特にコロナ禍で自由に遊べなかった子どもたちにはなんとか花火をやらせてあげたい。そんな思いで急遽、試行を決定しました」と区の担当者は経緯を明かす。

 ただ、区の決定が公表されると、一部の区民からは「今さらなぜ」「若者がたむろするのではないか」「マナーを守らない人が出る」といった反発の声が上がった。

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