強打者タイプで今大会評価を上げたのが森田大翔(履正社・三塁手)だ。大阪大会で打率.571、3本塁打と大活躍を見せた勢いは衰えることなく、甲子園でも2試合連続ホームランを放って見せた。特に初戦の鳥取商戦で放ったホームランはインハイの難しいボールをとらえたものであり、パワーだけでなくスイングの軌道の良さも目立つ。サードの守備もフットワーク、スローイングともに高レベルで、貴重な右打者というのもポイントが高い。
そんな森田の獲得をおすすめしたい球団としてはヤクルトを推したい。20代で右打ちの内野手は現在3人しかおらず、タイプ的に重なるのはルーキーの北村恵吾だけ。昨年は西村瑠伊斗、沢井廉と左の強打者タイプは指名しているが、外野まで見ても右打でパンチ力のある若手は少ない印象だ。上位指名に関しては課題である投手の整備が最優先となりそうだが、3位以降で狙えるのであれば、ぜひとも指名したい選手である。
人気になりそうなショートでプロから最も高く評価されていると思われるのが横山聖哉(上田西)だ。チームは開幕戦で敗れ、横山自身も1安打に終わったものの、柔らかいハンドリングとプロでも上位に入る強肩で強烈にアピールした。まだ攻守に粗さはあるものの、スケールの大きさは十分で、プロでも長くショートを任せられる可能性を秘めた素材だ。
チーム事情を考えると獲得をおすすめしたいのが楽天だ。現在は山崎剛と村林一輝の2人による併用が続いているが、ともに年齢は20代後半に差し掛かっており、若手でショートを任せられそうな選手は不足している。一昨年は外野手を中心に高校生の素材型の選手を高い順位で指名しているが、スケールの大きい内野手は少ないだけに、思い切って高い順位で狙うのも面白いだろう。
ショートでもう1人評価が高そうなのが百崎蒼生(東海大熊本星翔)だ。熊本大会の直前の練習試合で自打球を左足に当てた影響で守備の動きは本調子ではなく、チームも初戦で浜松開誠館に敗れたが、第1打席でいきなりツーベースを放つなど2安打をマーク。バットコントロールとパンチ力を兼ね備えた打撃は大きな魅力で、相手の隙を突く走塁も光る。