堺鉄砲町店でも、開業にあたっては市に設計図面を提出し、その通りに建設されているか検査を受けてオープンに至っている。
今回の芝生をはがしていた件について、AERAdot.が堺市に指摘したところ、市は現地確認を実施。その結果、
「たしかに設計図面には、芝生などで緑化、と記されていた部分が、アスファルト舗装に変わっていました。ただ、すべての緑化が撤去されているのではないこともわかりました。都市緑地法が適用されている地域ではないですが、堺市の許可なく設計図面から変更されているのは事実です。再度、店舗全体の緑化面積を確認して、不足している場合は元に戻すよう依頼する可能性もあります」
とのこと。
こちらも開業時の状況を確認すると、植栽があった場所が現在はアスファルトになっていることがわかる。
「業績アップが一番だから」
ビッグモーターに10年近く在籍していたというBさん。当時の店の状況についてはこう語る。
「店舗の緑化を取り払うなんて、店レベルではできませんし、そんな考えがそもそもありません。堺鉄砲町店は中古車を300台以上並べて、買い取り、小売り販売をそれぞれ月に100台という、かなりきついノルマが出されていました。当時、私は『本社の幹部から1台でも多く並べたいから芝生を削れ』と言われて舗装したと上司に聞きました。店レベルでは判断できないことです。『社長が了解済みだそうだ。業績アップが一番だから』と聞きました」
ビッグモーターに事実関係について取材すると、
「現在、国土交通省ならびに各自治体による街路樹周辺の現地調査に全面的に協力しており、個別の店舗の状況につきましては、おそれいりますが回答を控えさせていただきます。当社としては行政の調査結果やご指導を踏まえ、原状回復も含め、誠心誠意の対応をしてまいります」
と答えるだけだった。
次から次へと問題が発覚し、おさまる兆しはまだ見えてこない。
(AERA dot.編集部・今西憲之)

