芝生がなくなったビッグモーター堺鉄砲町店(大阪府堺市)
この記事の写真をすべて見る

一連の問題で経営刷新した中古車販売大手ビッグモーター。8月19日には和泉伸二社長が社員に向け、「誇りを持って仕事に取り組んでほしい」とビデオメッセージを送るなどしているが、街路樹が枯れていたり、芝生がはがされたり、多くの店舗で様々な問題が表に出てきている。

【写真】ビデオメッセージを送ったビッグモーターの新社長はこちら

「これも、ビッグモーターのインチキの一つではないでしょうか」

 と話すのは、名古屋市のビッグモーター名古屋茶屋店に勤務していたAさんだ。

 同社のホームページを見ると、名古屋茶屋店は2018年9月に開業した。

 Aさんが当時を振り返る。

「まだ暑い日が続き、中古車を並べる駐車場には芝生や植栽があり、青々とした葉がついていました。けど、数カ月経ったころだと記憶しています。急に業者の工事車両が駐車場に入ってきて、何が始まるのかと見ていたら、芝生をはがしたり、植栽を引っこ抜いたりするんです。ただ驚くばかりでした」

 そこで、Aさんが先輩社員に聞くと、

「中古車を並べるスペースを増やすので撤去している。これで10台くらい数を増やせるから営業成績もアップできる」

 とうれしそうに話してくれたという。

「当時は何もわからず、そういうものかと思っていました。しかし今回、ビッグモーターの問題があちこちで出てきて、勝手に芝生や植栽を撤去するのは問題ないのか、と思ったのです」(Aさん)

 たしかに「Googleストリートビュー」で見る限りは、2019年の開業直後は、駐車場を取り囲むように芝生が植えられているのが確認できるが、現在は芝生がない。

著者プロフィールを見る
今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

今西憲之の記事一覧はこちら
次のページ
河村たかし市長は「どれもとんでもないこと」