最近耳にする日和見(ひよりみ)感染症。身体の免疫力が落ちているときに発症する病気で、帯状疱疹(たいじょうほうしん)やヘルペスといった身近な感染症もこれにあたります。免疫力は年齢を重ねると自然と低下していくもの。そこで本記事では、日本の漢方のルーツである中国の伝統医学「中医学」をもとに、【日和見感染症対策】を5つのタイプ別に分かりやすく説明します。さまざまな感染症を防ぐためにも、日々の養生で免疫力アップをめざしましょう。
【図版】日和見感染症 体質別3タイプの免疫力アップ対策と食材はこちら
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免疫力の低下で発症する感染症
日和見感染症は、その名の通り“身体の状態をうかがって、弱っていれば発症する”感染症のこと。私たちの周りにはたくさんの細菌やウイルスが存在しますが、身体が元気な時には特に影響を受けることはありません。ところが、免疫力が落ちていると細菌やウイルスが体内で増殖し、病気を発症してしまうのです。こうした感染症を招く病原体は、細菌、真菌、ウイルスなど多岐に渡り、帯状疱疹やヘルペス、カンジタ、肺炎、結核などさまざまな病気を引き起こします。
免疫力が著しく低下する主な要因は、病気や薬(免疫抑制剤や抗菌剤等)の長期服用など。一方、特に病気がなくても、免疫力は加齢とともに低下していくことがわかっています。
中医学では、免疫力の基本は身体の「正気(せいき)」にあると考えます。正気は生命や健康を維持し、病気に対する抵抗力となるエネルギー。そのため、正気が充実していれば、身体が元気で感染症にもかかりにくくなるのです。
正気は、体内の「気」「血」が十分にあり、バランスよく保たれていることで充実します。反対に、気・血が不足したり巡りが悪くなったりすると、正気が衰える要因に。こうした体質の乱れは日頃の養生で改善していけるので、しっかりケアをして正気を充実させ、免疫力を高めることが大切です。
日和見感染症の予防と初期対処
免疫力の低下によって発症する日和見感染症は、重症化や再発を招きやすいことも特徴です。まずは体質改善、発症したら適切な対処を心がけ、症状の予防、緩和を心がけましょう。ここでは、体質別・免疫力アップ対策「予防」を3タイプ紹介します。