次に、身近に起こりやすい皮膚疾患(帯状疱疹やヘルペスなど)の対処を基本にご紹介します。日和見感染の症状は多岐に渡るため、気になる不調があれば早めに医師の診察を受けましょう。

【タイプ4】皮膚に炎症、赤み 熱が出るタイプ

 飲み過ぎや食べ過ぎ、脂っこい食事の摂り過ぎ、ストレスなどが原因で体内に熱がこもっていると、皮膚疾患を発症した際に炎症や痛みなどを起こしやすくなります。体内の過剰な熱を冷ますことで炎症の緩和につながるので、悪化を防ぐためにも早めの対処を心がけましょう。

<気になる症状>
熱感、皮膚の赤み、患部の痛み、口やのどの渇き、のどの痛み、尿の色が濃い、便秘気味、舌の色が紅く舌苔が黄色い

<食の養生>
身体の過剰な熱を冷ます食材を。
ごぼう、苦瓜、レタス、すいか、緑茶、たんぽぽ茶、くちなしの実、びわの葉茶、桑の葉茶など

身体の過剰な熱を冷ます食材、ごぼう

【タイプ5】皮膚がジュクジュクしやすい 湿タイプ

「脾胃(胃腸)」の働きが弱く水分代謝が落ちていると、体内に「湿(余分な水分や汚れ)」が溜まって水泡やジュクジュクとしたただれが起こりやすい状態に。湿気の多い時期は特に症状が悪化しやすいので、早めのケアで体内の余分な水分を取り除きましょう。

<気になる症状>
皮膚の水疱・ジュクジュク、むくみ、頭重、食欲不振、口内の粘り、おりものが多い、軟便、症状の慢性化、舌苔がベタつく

<食の養生>
体内の余分な水分を取り除く食材を。
はと麦、どくだみ、ハスの葉茶、緑茶、しそ、きゅうり、冬瓜、すいか、春雨、緑豆、小豆、ミント茶など

体内の余分な水分を取り除く食材、冬瓜

暮らしの養生

● 食事は免疫力アップの基本。バランスよく栄養を取り、気・血をしっかり養いましょう。
● 睡眠を十分とって疲れを回復し、体力を維持しましょう。
● 適度な運動を習慣に。体温が上がり血流も良くなって、免疫力アップにつながります。
● ストレスは免疫力の大敵。趣味を楽しんだり香りでリラックしたり、こまめに発散する習慣を。

香りでリラックしたりして、ストレスはこまめに発散しましょう

監修:菅沼 栄先生(中医学講師)

監修:菅沼 栄先生(中医学講師) 1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。 1979年、来日。 1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。 主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)、『入門・実践 温病学』(源草社)など。

本記事は、イスクラ産業株式会社が発行する中医学情報誌『チャイナビュー』より、一部改変して転載しました。同誌は日本中医薬研究会の会員店で配布しています。