「暑さ対策は大会の課題の一つと考えています。昨年7月の大会運営委員会で、今年の第105回大会以降、日中の気温の高い時間帯を避けて朝と夕方の部に分けて試合を行う2部制を含め、新たな暑さ対策の検討を始めることを決めました。2部制については、観客の入れ替え時の安全確保などに課題が残るため、今夏は実施せず、引き続き検討しています」(第105回全国高校野球選手権記念大会の大会本部)

 大会本部によると、今大会での熱中症疑いの選手は、大会第9日(8月14日)までで計29人という。

 星稜で高校№1スラッガーとして名を轟かせ、巨人やヤンキースなどで球界を代表する強打者として活躍した松井秀喜氏(ヤンキースGM付特別アドバイザー)は、読者の質問に答えるスポーツ報知の企画で、「真夏の酷暑の中で連日、試合をやったら体への負担は避けられません。我々の時代は当たり前でしたが、気候や投手の肩、肘への負担の意識の変化もあって、今は当たり前ではない時代。これまでも多くの投手が故障に苦しんできました」と話し、酷暑の中での過密日程を避けるために前半、後半の2部制で選手の負担を軽減することを提案。「夏の甲子園は前半、後半のような2部制にすれば負担は軽減されるのではと感じますが、それも難しいのでしょうかね? そうすれば阪神も途中で一度、帰って来られますし、死のロードもなくなります。夏休みいっぱいを使って、甲子園大会をやってもいいのではとも思います。高校生の体はまだ成長過程ですから、守ってあげないといけません」と語っている。

 スポーツ紙デスクは、「夜になると太陽の日差しがなくなる分、昼より体の負担が楽になる。ナイター開催は今後も検討されるでしょう。早朝の午前7時から2試合、午後5時以降に2試合が現実的かなと思います」と指摘する。
 連日熱戦が繰り広げられる高校野球は、100年以上も続く国民的行事だ。暑さ対策については引き続き検討が必要だ。

(今川秀悟)

[AERA最新号はこちら]